エンゲージメントスコアが高い企業とは?スコア改善へ向けた即効性のある3つの施策

エンゲージメント改善は、企業の持続的な成長と従業員の満足度向上において極めて重要な要素です。エンゲージメントスコアが低い状態が続くと、組織全体のパフォーマンスや離職率に悪影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、エンゲージメントスコアが高い企業にはどのような特徴があるか、また低スコアから脱出するための即効性のある3つの施策についてご紹介します。組織全体での効果的なエンゲージメント戦略の構築を目指しましょう。
従業員エンゲージメントスコアの重要性

エンゲージメントスコアとは?
従業員エンゲージメントスコアは、企業と従業員間の信頼関係や愛着を数値化する重要な指標です。このスコアを通じて、企業は従業員のエンゲージメントの現状を把握し、組織全体の活力や生産性向上に繋げることができます。
エンゲージメントと従業員満足度は異なる概念であり、前者は企業理念への共感や愛着を、後者は待遇や具体的な労働条件への満足度を示します。これらの違いを理解することは、効果的な経営戦略の策定において不可欠です。
エンゲージメントスコアの改善は、競争力の強化や優秀な人材の確保において急務となっています。
従業員満足度との違い
エンゲージメントと従業員満足度は、どちらも企業にとって重要な指標ですが、それぞれ異なる側面に焦点を当てています。
・エンゲージメント…従業員が企業の理念やビジョンにどれだけ共感し、愛着を持っているかを測るものであり、組織との深い結びつきを示す。
・従業員満足度…給与や福利厚生、労働環境など、具体的な待遇面に対する満足度を測定する。
この違いは、企業が取る施策にも影響を与えます。
例えば、エンゲージメントを高めるためには、企業理念の共有やキャリア形成支援が重要となりますが、満足度を向上させるためには、給与の見直しや労働環境の改善が求められます。
さらに、エンゲージメントを向上させることは、満足度にもポジティブな影響を与える可能性があります。従業員が企業に対して強い愛着を感じることで、待遇面での満足度も自然と高まる傾向が見られます。
したがって、エンゲージメント向上施策は、従業員満足度の底上げにも寄与することが期待されます。
生産性と離職率への影響

高いエンゲージメントスコアは、従業員のモチベーションや業務へのコミットメントを高め、生産性の向上に寄与します。具体的には、従業員が自らの役割に対して責任感を持ち、イノベーションや効率的な働き方を推進するようになります。
エンゲージメントスコアの低下は、従業員の離職率の増加につながります。例えば、スコアが低下することで従業員の満足度が下がり、他社への転職を検討する傾向が強まるケースが報告されています。
これらの関係性を改善することで、企業は生産性の向上と離職率の低下という二つの大きなメリットを享受できます。結果として、組織の安定性や競争力が強化され、持続可能な成長が可能となります。
エンゲージメントスコアが高い企業の特徴とは?

エンゲージメントスコアが高い企業は、単に福利厚生が良い、給料が高いといった表面的な待遇が良いだけではありません。従業員一人ひとりを尊重し、彼らの成長と幸せを願う「従業員を大切にする」社風が根付いています。
具体的には、以下のような特徴が挙げられます。
明確なビジョンの共有と浸透
従業員が「何のために」「誰のために」働いているのかを理解し、共感できる明確なビジョンが設定され、日々の業務や意思決定にまで浸透していることが重要となります。
従業員の意見を尊重する風土
トップダウン型ではなく、従業員の声に耳を傾け、積極的に業務改善や制度設計に反映するなど、双方向のコミュニケーションを重視することで、従業員の自社への信頼、貢献意識が高まります。
成長を後押しする環境

従業員のスキルアップやキャリアアップを支援する制度や研修が充実しており、従業員一人ひとりの成長意欲に応えられる環境を提供することが重要です。
公平で透明性の高い評価制度
従業員の貢献度や成果を適切に評価し、納得感のあるフィードバックや報酬を提供することで、モチベーション向上へと繋がります。
ワークライフバランスを重視
柔軟な働き方や休暇制度の導入など、従業員が仕事とプライベートの両立を図りやすい環境づくりを重視することで、モチベーションアップへと繋がります。
心理的安全性の確保
上司や同僚に相談しやすい雰囲気があり、失敗を恐れずにチャレンジできる環境が整っていると、心理的に常に良好な状態で働くことが可能となります。
これらはエンゲージメントスコアの高い企業の共通点として挙げられる、重要な要素と言えます。
エンゲージメント向上に取り組む企業事例
株式会社小松製作所
小松製作所は、従業員の自律的なキャリア形成を促す制度や、公平な人事評価を徹底し、エンゲージメント向上に取り組んでいます。
従業員のキャリア支援のため、資格取得の奨励や社内公募制度、留学制度など、自律的なキャリア形成を支援しています。また、従業員の技能を競う「オールコマツ技能競技大会」を毎年開催し、相互研鑽へのモチベーションを高める施策が特徴的です。
また、労働組合と共同で、事業所単位で評価委員会を開催し、複数人での多面評価や相対評価を重視するなど、徹底した公平評価を行っています。
KDDI株式会社
KDDI株式会社では健康経営の観点から従業員エンゲージメントおよび健康状態の向上を推進。運動習慣の定着を目指すとともに、従業員とその家族との交流を通じて一体感を高めるため、2013年度から社内運動会「KDDIスポーツフェスティバル」を開催しています。
内容は大縄跳び、玉入れ、障害物リレー、全員参加の早押しクイズ、eスポーツ、アプリを活用した全従業員参加の「色組対抗ウォーキングチャレンジ」等、2023年度は、都内の会場に加え、全国の支社拠点でのパブリックビューイングやオンライン参加も可能にしました。
これにより、オフラインの参加者は約1,200人、オンライン視聴者は約2,700ビューに達したそうです。アプリを通じて全員が参加できる企画も実施され、健康増進だけでなく、組織の一体感の醸成にもつながっています。
KDDI株式会社「健康経営 | 人財」(参考)LAVAの出張ヨガで健康増進&コミュニケーション促進を担う!詳しくはこちら!
エンゲージメントスコアの計測方法

エンゲージメントスコアの計測は、組織全体の活力や生産性を向上させるための重要なプロセスです。
代表的な方法として以下が挙げられます。
・エンゲージメントサーベイ
・パルスサーベイ
・従業員サーベイ
エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイとは、従業員の仕事に対する情熱や企業への所属意識を把握するための調査です。従業員エンゲージメントを測定するアンケートで調査を行い、組織内のエンゲージメントスコアを計測します。
アンケート結果から、項目ごとに「どの回答が多いのか」の観点で数値を計測し、現状の課題を確認することができます。半年ごとや1年に1回など定期的に実施することで、過去の結果と照らし合わせて、エンゲージメントスコアの変化から課題と強みを特定できます。
パルスサーベイ

パルスサーベイは、エンゲージメントサーベイより短い周期で実施する従業員の意識調査です。新しいルールを設定したりシステムの導入を行ったりした際に、パルスサーベイを実施して従業員エンゲージメントの変化を計測します。
パルスサーベイは、5〜10問程度の簡単なアンケートを週1回や月1回のペースで実施する方法が一般的です。エンゲージメントサーベイほど大がかりな調査は実施しないため、大きな変化には気づきにくい特性があります。
ただし簡単に調査できる計測方法なので、従業員が現状どのような姿勢で仕事に取り組んでいるのか、エンゲージメントを速やかに把握できます。
従業員サーベイ
従業員サーベイは、各従業員が個人的に感じている職場への満足度や不満を調査する計測方法です。具体的には給与や待遇、休日に職場環境、人間関係などの不満や課題点を調査します。
従業員サーベイは、従業員満足度と組織内の課題を把握できるため、組織改革や生産性の向上につながる調査です。エンゲージメントサーベイとは趣旨が異なりますが、従業員が抱える不満や満足度を調査することで、より働きやすい組織風土・職場環境へと改良できます。
これらのサーベイを組み合わせることで、従業員のエンゲージメントを多角的に解析し、戦略的な改善策を講じることが可能になります。
計測結果の分析とフィードバック

計測結果の分析は、エンゲージメント向上のための重要なステップです。サーベイ結果を詳細に分析し、従業員の意見や傾向を把握することで、課題や改善点を明確化します。
その後、得られたデータを基に、具体的なアクションプランを策定し、経営陣や従業員にフィードバックを提供するプロセスが必要です。フィードバックは可能な限り早く行い、従業員がサーベイへの参加によって組織の改善に寄与できることを実感できるようにします。これにより、エンゲージメント向上への協力意識を促進します。
即効性のあるエンゲージメント改善施策

それでは、実際にどのような施策でエンゲージメントスコアを迅速に向上させることができるのでしょうか?即効性のある3つの具体的な施策を紹介します。
理念やバリューの共有・浸透
企業の理念やバリューを明確にし、従業員に伝える方法として、まずは経営陣自らがこれらを具体的に言語化し、全社的なミーティングやワークショップを通じて共有することが重要です。また、社内イントラネットや定期的なニュースレターを活用して、日常的に理念やバリューを意識させる仕組みを作ります。
バリューの共有がエンゲージメントスコアに与える影響については、具体的な事例として、ある先進企業ではバリューの徹底した共有により、エンゲージメントスコアが15%向上し、離職率が10%減少したと報告されています。
継続的な浸透のための取り組みやコミュニケーション手法としては、定期的なフィードバックセッションやチームビルディング活動を実施することが有効です。また、リーダーシップトレーニングを通じて管理職が理念やバリューを日常的に実践・伝達できるよう支援します。
さらに、従業員が自発的にバリューに基づいた行動を取れるよう、インセンティブ制度を導入することも効果的です。
企業総会の開催

企業総会は、従業員との直接的なコミュニケーションの場として重要です。経営陣が企業の現状やビジョンを直接共有することで、従業員の理解と共感を深めることができます。また、質問や意見交換の時間を設けることで、双方向のコミュニケーションを促進し、エンゲージメントを高める効果が期待できます。
従業員参加型の意思決定
従業員が意思決定プロセスに参加することで、自らの意見が組織運営に反映されると感じ、エンゲージメントを向上させることができます。ワークショップやブレインストーミングセッションを通じて、従業員が積極的にアイデアを出し合える環境を整えることが重要です。
評価制度の見直しとキャリア形成支援

評価制度の見直しとキャリア形成支援は、従業員エンゲージメントを高めるための重要な施策です。
目標設定とフィードバックの改善
評価制度の改善には、明確な目標設定と定期的なフィードバックが欠かせません。従業員にとって達成可能で具体的な目標を設定し、進捗に応じたフィードバックを提供することで、達成感と成長を促します。
メンタリングプログラムの導入
経験豊富な社員がメンターとなり、若手社員のキャリア形成をサポートするメンタリングプログラムは、従業員の成長を促進し、企業に対するエンゲージメントを強化する効果があります。メンターとメンティーの定期的な対話を通じて、目標達成やスキル向上をサポートします。
コミュニケーションの活性化

コミュニケーションの活性化は、従業員エンゲージメントの向上に欠かせません。社員間の関係性強化を目的とした取り組みやツールの活用方法について紹介します。
定期的なミーティングの実施
定期的なミーティングは、従業員間の情報共有とコミュニケーションの活性化に寄与します。ミーティングを効果的に行うためには、明確なアジェンダの設定と時間管理が重要です。従業員が意見を自由に交換できる場を設けることで、エンゲージメントを向上させることができます。
オープンなコミュニケーション環境の構築
意見や情報が透明かつ迅速に交換される環境を構築することは、従業員がより積極的に参加しやすくなり、エンゲージメントを高める要素となります。社内SNSや意見箱などを活用し、情報共有の場を多様に設けることが重要です。
社員間の関係性強化の取り組み
社員間の信頼関係を強めるために、チームビルディング活動や社内イベントを定期的に開催することが有効です。共同作業やレクリエーションを通じて、社員間のコミュニケーションを向上させ、エンゲージメントを高める効果が期待できます。
社内レクリエーションとして!LAVAの出張ヨガサービス

従業員が平等に、また一度に大人数参加できるレクリエーションとして、オフィスヨガの導入を考えてみるのはいかがでしょう。
オフィスヨガ/LAVAの出張ヨガとは?
企業様のオフィス等、ご希望の場所にLAVAのインストラクターがお伺いしオリジナルレッスンを提供させていただきます。レッスンの強度やテーマはご相談に応じてカスタマイズが可能なので、運動習慣やヨガ経験関係なくお楽しみいただけると好評のサービスです。
導入事例

業種:電子デバイスの研究・生産・販売
目的:部署間を跨いだコミュニケーション促進
内容:レクリエーションを目的としたペアヨガレッスン
お一人で実施いただけるポーズも実施しつつ、二人一組で行うペアヨガを導入。ペアヨガは二人の息を合わせながら行うポーズも多く、わいわいと盛り上がりながら実施していただきました。

参加した方々からは
「違う部署の方と交流ができて話も弾んだ!」
「一人でポーズを取って身体もほぐれたし、わいわいした雰囲気でとても楽しく過ごせた!」
といったうれしい感想をいただきました。
出張ヨガサービスはその他にも座学やメンタル対策等、様々なコンテンツでご好評いただいております。
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まとめ
・エンゲージメントスコアの改善は、企業の持続的な成長と従業員の満足度向上において極めて重要!低い状態が続くと、組織全体のパフォーマンスや離職率に悪影響を及ぼす可能性がある。
・エンゲージメントスコアの計測は様々なサーベイを組み合わせることで、従業員のエンゲージメントを多角的に解析し、戦略的な改善策を講じることが可能。
・エンゲージメントスコアの向上には、理念やバリューの共有・浸透、評価制度の見直しとキャリア形成支援、コミュニケーションの活性化など様々な取り組みによって効果が表れる。
組織が持続的に成長するためにも、まずは自社のエンゲージメントスコアの把握からスタートし、課題に沿った対策から実行していきましょう。